7/07/2016

あたらしい菓子切『夕星』が七夕に生まれました

七夕になりました。

東京は雨のすくない梅雨で、きょうも猛暑の晴天、月もない今夜はひょっとすると天の川が見えるかもしれませんね。

そんな七夕、あたらしい菓子切『夕星』が出来あがりましたので、お知らせいたします。まずは画像をご覧ください。





茅葺き屋根の古民家から得られる古材、煤竹に漆で金箔を貼り、それを研磨し、さらに拭き漆を施すことで、夕景に光る星々のような景色に仕上がりました。金は本金を使用し、金箔装飾の本職の方にご協力いただきました(くわしくは後述します)。




少し寄ると、このような具合です。節のあたりを中心に金を残しています。節を水平線に見立てれば夕日の輝きに重ねることもできますね。写真では竹が暗めに写っていますが、夕空のようなやや明るめの煤竹を主に用いました。竹パルプを使用した紙に『夕星』の名を記した栞を、菓子切とともに箱に入れてお納めします。




菓子切の切先へかけてもうっすらと金を残し、星らしい景色に。空の星もひとつずつ輝きが異なるように、実物の竹の肌には写真には写らない小さな輝きも見いだすことができます。


写真はあえて暗めに撮影しました。ディナーのあと間接照明のなかでデザートをといった時間に、あるいは和ろうそくを灯した夜咄の茶事など、陰翳のなかでとくに魅力の引き出される菓子切だとおもいます。




少し多めに金を残したものも。もとは全面に金を貼っていますが、研磨してゆくなかで一本一本、異なる景色があらわれるところも夕空のようです。


寸法はすでに以前より制作している、基本形の『ささのは』、二色のグラデーションになった『月雲』とほぼ同じで、竹の具合によって一本ずつ微妙に幅や厚みが異なります。

金の量は、私が考える理想の姿よりも少し多めに残しています。つかってゆく中で徐々に摩滅し、理想の景色があらわれることを願いながら。やがて経年によって、すこしずつ金はなくなってしまうかもしれませんが、その時には夜明け、明るい煤竹の色を楽しんでいただければ幸いです。


今回の『夕星』をつくるにあたっては「ほはばのデザイン」という、ものづくりの作り手6人によるリレーブログを一緒に運営している、装飾料紙鑑屋の木村詩織さんに多大なご協力をいただきました。

ずいぶん以前から私のなかにアイデアがあり、お願いしたいとは思いつつ言い出せなかったのですが、思い切ってお願いしたところ快諾していただき、さらに七夕までに完成させたいという私のワガママにも応えていただきました。今回の菓子切をきっかけに、菓子切以外でも共作を進めておりますので、そちらもまた。

金箔装飾には、野毛や砂子など、多くの技法があり、そのいくつかを試して頂きましたが、この『夕星』では、表皮の全面に金箔を貼ってから、私が一つずつ景色を研ぎ出して漆で仕上げる方法をとっています。裏面は素地の風合いを生かすため漆は施しません。


きょうは七夕。

『たなばたさま』の歌には......

笹の葉さらさら
のきばに揺れる
お星さまきらきら
きんぎん砂子

とあります。鑑屋さんの金箔装飾と、ささのはから生まれた私の竹の菓子切とが、歌のごとくにあわさって、七夕に『夕星』として生まれたことを嬉しくおもいます。


いまのところ、どこかのお店へ置いていただく予定はありません。出来上がった数も少ないことですし、直接お問い合わせいただいた方へ少しずつお届けしたいとおもいますので、ご興味がございましたら、気軽に以下よりご連絡くださいませ。

今夜がよい夜になりますように。



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