9/23/2016

酒籠と小さな茶の道具いろいろ

依然、長雨です。

ブログに載せるべき仕事が色々とあったのですが、そのタイミングを逃したまま、ずいぶん時間が経ってしまいました。展示をぶじに終えて、心のゆとりがすこしばかり出来たところで、少しずつここに載せてゆきたいとおもいます。

茶道の分野では、茶箱の道具を軸にして、そこから派生する仕事が徐々に増えてきました。ざっと並べるとこんな具合に。




左から
菓子切五点、茶箱の茶杓、煤竹の小花入、白竹茶筅筒、ぐい呑みや盃を収める酒器の籠 酒籠(ささかご)、六つ目編みの小籠

すべて手のひらにのるほどの、とても小さな竹の道具です。

もともと日用品づくりよりも先に伝統工芸の分野からこの道へ入った私は、茶箱・茶籠や茶筅筒などの小さくて細かな仕事に魅かれるところがおおく、また自然とその分野の仕事をお引き受けする機会も重ねてきました。

写真の左のほうに写っている品々はそんな仕事。

そこから派生しての仕事が、真ん中に写っている蓋つきの籠です。こちらは、酒器を収めるための籠、酒籠。つくりは茶籠と同様のもので、さらに小さく精巧に作っています。

ブログやHPにも画像を載せてきませんでしたし、自らアピールしてもいないのですが、いちど力を入れてつくる機会を得たことをきっかけに、ポツポツとお問い合わせをいただくようになりました。

お手持ちの器の大きさに合わせて、一点ずつつくります。




籠に寄ったところ。(左の銀製のちろりは、お客様の蔵品です)

籠に愛用のぐい呑みを収めて出かけ、外での酒宴に興を添える......飲むものが抹茶か日本酒かというちがいはありますが、茶箱と同様に風雅な楽しみのひとつだとおもいます。

(余談 : 銀器はたいへん薄作りで、手で押すとへこみそうなくらいの柔らかな手触りでした。持ち手が熱くなるので、籐を巻いて仕上げることが多いものですが、こうした柔らかな器に籐を巻く場合には、形が歪まないように内側に型を入れて作業する必要があります。なお、現在そうした仕事はお引き受けしておりません)

この酒籠をお求めのお客様は、専用の小さな風呂敷も古裂から仕立てて、籠を丁寧に包んで使ってくださっているようで、お納めしてから何度か籠に再会しましたが、すこしずつ育ってきているのが嬉しいことです。

こうした籠は、ご相談を受けてお引き受けしてからお納めするまでに、半年から一年ほどかかる仕事。お客様も、器や袋との相性などにあれこれ思案をめぐらされたりと、わたしとはまた別なかたちで「つくる」ことに加わっていただくことになり、ある種の共作ないしは競作の要素もある仕事です。


大きさと裏腹に、相当の気力と体力を必要とするものですが、今後もご依頼のある限りはつづけてゆきたい仕事ですし、じぶんで申すのもおかしなことですが、いずれは私も一点、じぶんのために欲しいと願っている籠です。